2019年06月05日(水)レクチャーコンサート
第195回レクチャーコンサート 日本オーストリア友好150周年記念「バリトン~王侯貴族の愛した幻の弦楽器~」
第195回レクチャーコンサート 日本オーストリア友好150周年記念
「バリトン~王侯貴族の愛した幻の弦楽器~」
日 時:2019年6月5日(水) 開場18:30 開演19:00
入場料:一般2,500円、学生1,000円(24歳以下の学生) ※未就学児の入場はご遠慮ください。
会 場:楽器博物館 天空ホール
チケット取り扱い:楽器博物館、アクトシティチケットセンター、浜松市文化振興財団オンラインショップ(http://www.hcf.or.jp/shop/index.html)
※4月8日(月)より発売
※当日券は18:00より発売します。
お問合せ・チケット予約:楽器博物館(TEL.053-451-1128)
~200年の時を越えて甦るハイドンとニコラウス侯の想い~
2019年はオーストリア・日本友好150周年記念の年であり、またオーストリアの大作曲家ハイドンの没後210年にもあたる。この2つの記念の年にハイドンの知られざる楽曲「バリトン三重奏曲」を紹介する。
今では博物館などでしか見ることのできない幻の楽器バリトン。しかし200~300年前の南ドイツ・オーストリアでは、その美しい音色のため王侯貴族の間で愛好された。当時の弓奏弦楽器の主流であったヴィオラ・ダ・ガンバから派生したこの楽器は、チェロほどの大きさで、その一番の特徴はネックの裏側に10~20本の共鳴弦を持つことだ。表の弦をひくと、この裏側の弦が共鳴する。また裏側の弦をはじいて演奏することにより、幅広い倍音効果も生まれる。
この独特の響きに魅せられ自らも演奏したのが、ハイドンが楽長として仕えたハンガリーの大貴族エステルハージ・ニコラウス1世侯であった。ハイドンはバリトンをこよなく愛したニコラウス侯のために150曲以上ものバリトン曲を作曲した。バリトン音楽はエステルジハージ家の宮廷において美しく花開いたのであった。
<プログラム(予定)>
ルイジ・トマシーニ:三重奏曲
ヨーゼフ・ハイドン:バリトン三重奏曲 ほか
出演
エステルハージ・アンサンブル
バリトン奏者ミヒャエル・ブリュッシング氏が率いるこのアンサンブルの名は、ハイドンが宮廷楽長として永く仕えたハンガリーの貴族エステルハージ侯の名前にちなむ。今日では忘れ去られてしまった幻の楽器「バリトン」の優雅な調べを現代に甦らせるべく2002年に結成、ウィーンを拠点にヨーロッパ各地で演奏活動を行い、その魅力の紹介に努めている。2005年にはNHKクラシック倶楽部に出演、2008年には世界初のハイドン作曲によるバリトン曲全曲録音を完遂、21枚組みCD全集として発売された。バリトン音楽の魅力を最大限に伝えるため演奏にはピリオド楽器を使用。2009年に初来日。日本に初めてバリトンを紹介した。
ミヒャエル・ブリュッシング/Michael Brüssing
(バリトン)
ドイツ生まれ。シュトゥットガルト音楽大学を卒業後、ウィーンにてチェロをProf.E.Knavaに、トロッシンゲンにてヴィオラ・ダ・ガンバをProf.Philippe Pierlotに師事してディプロマを取得。バロックチェリスト、ガンビストとしてヨーロッパ、アジア、アメリカと各地で幅広い演奏活動とレコーディングを行う。その後バリトンの音色に魅せられ、「エステルハージ・アンサンブル」を結成。バリトン奏者としての活動のほか、ヴィオラ・ダ・ガンバ、古楽アンサンブルの演奏・指導を行っている。
アンドラーシュ・ボリキ/András Bolyki
(バロック・ヴィオラ)
ブダペスト生まれ。19歳の時ハンガリー・ヴィオラコンクールで優勝。フランツ・リスト音楽大学でソロ・ディプロマを取得して卒業。様々な室内音楽グループに参加して研鑽を積み、クレモナ弦楽四重奏コンクールで特別賞を獲得する。ブダペスト・フェスティバル・オーケストラ、ブダペスト・ナショナル・フィルハーモニーの一員でもあり、ブリュッシング氏とともにバリトン音楽に取り組む一方、兄弟と「ボリキ・ブラザーズ」というア・カペラ カルテットを結成し、クラシックと現代音楽を融合した多彩な活動を行っている。
マリア・ブリュッシング/Mária Brüssing
(バロック・チェロ)
ブダペスト生まれ。フランツ・リスト音楽大学でチェロを学びソロ・ディプロマを取得して卒業。国際奨学金を得てウィーンへ留学。アルバン・ベルク・カルテットのProf.Valentin Erbenに師事する。ウィーンでヴィオラ・ダ・ガンバに出会ってからはガンビスト、バロックチェリストとして精力的に演奏活動を行うとともに、ヨーロッパ各地で古楽講習会等の指導もしている。