Original Goodsオリジナルグッズ
モーストリークラシック、レコード芸術、読売新聞 各誌において推薦を受けました。
演奏
水永牧子(スピネット、チェンバロ) 広瀬奈緒(ソプラノ)
使用楽器
スピネット S.キーン ロンドン 8世紀初期 52鍵 G1/B1~d3 A=415 全幅155.0cm
使用曲:3, 4, 6, 7, 8, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 22
チェンバロ A.& J.カークマン ロンドン 1791年 61鍵 2×8′ 1×4′ F1~f3 A=415 全長230.0cm
使用曲:1, 2, 5, 9, 10, 11, 12, 21
ライナーノーツより
このアルバムでは、16世紀後半から18世紀末までの、約200年に渡るイギリス音楽を集めました。チャーミングなタイトルを持つ、これらの音楽には、当時口ずさまれたり、鼻歌のようにして、人々に親しまれていたメロディが多く含まれています。
録音で使用した2台のオリジナル楽器は、対照的なキャラクターを持ち、どちらの楽器で、どの作品を弾こうかと大変悩みました。キーン作のスピネットは、まるで子供が弾いていたかのような可愛らしい楽器で、出てくるのは、囁くような明るい音色。一方、カークマン作のチェンバロの響きは深く、特に低音は巨大に伸び、弾いている私が飲み込まれてしまいそうなほどでした。
魚に例えるなら、めだかチャンとくじらクン、というところでしょうか。そのような訳で、これからまさに録音しようとする作品達のイメージは、どちらの楽器で弾いても良い意味で覆されてしまい、演奏するテンポや解釈が徐々に変化していきました。
やはり、楽器達の音色は、私の予想をはるかに超えて熟成していたようです。何せ、これらの名器は300年前から呼吸しているのですから。2台の楽器は、浜松に来る前にはアメリカのコレクター、ローゼンバウム氏が所有していたそうですが、それ以前はどんな環境に置かれていたのでしょう。どんなオーナーが弾いていたのかしら?
また引っ越しに耐えたり、戦争をくぐり抜けたりしてきたのかしらなど、そんなことを想像してみました。すると、よく現代まで生きのびてきてくれたという感動が起こり、楽器の生まれ故郷である、イギリスの田園風景が思い出されたりしました。
いま日本で、このオリジナル楽器に触れ、また多くのインスピレーションを得られたことに、改めて感慨深い思いでいます。そして、この貴重な楽器を、快く弾かせて下さった嶋和彦館長に、心より感謝申し上げたいと思います。
それでは、イギリスのいにしえの響きをお楽しみください。(水永牧子)
演奏曲目
No. | 曲名 |
---|---|
1 | ラムレイ卿のパヴァーヌ(J.ブル) |
2 | ラムレイ卿のガリアード(J.ブル) |
3 | 出て行って! このもやもやした気持ち(作者不詳) |
4 | まぬけなシモン(J.P.スウェーリンク) |
5 | 王の狩(J.ブル) |
6 | グラウンド ハ短調(H.パーセル) |
7 | ロンドー(H.パーセル) |
8 | もう一度 戻っておいで(J.ダウランド) |
ソナタ第3番 ト長調(T.A.アーン) | |
9 | Ⅰ プレリュード |
10 | Ⅱ アレグロ |
11 | Ⅲ メヌエットと変奏 |
12 | つかの間の音楽(H.パーセル) |
13 | グラウンド ニ短調(H.パーセル) |
14 | ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ(W.バード) |
15 | ガリアード(W.バード) |
16 | 王のモリスコ(作者不詳) |
17 | バグパイプとドローン~「戦い」より(W.バード) |
18 | 今のうちに薔薇のつぼみを摘んでしまおう(W.ロウズ) |
19 | デンマーク王子の行進曲(J.クラーク) |
20 | 狩のアルマンド(J.ブロウ) |
21 | ジョン、今キスしに来て(W.バード) |
22 | グリーンスリーヴス(イギリス民謡) |